小田原おしりとおなかのクリニック

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便秘disease

便秘とその治療について

便秘とは本来排泄すべき糞便(ふんべん)が大腸内にとどこおる事による兎糞(とふん)状便・硬便・排便回数の減少や糞便を快適にできない事による過度な努責(どせき)、残便感(ざんべんかん)、直腸肛門の閉そく感、排便困難を認める状態と定義されます。
そして便秘の治療対象としては便の量および回数が非常に少ないか、非常に硬く排便が困難な場合、排便後に残留感がある場合です。

慢性便秘の分類

  • 一次性の便秘(明らかな原因がないもの)
    ・機能性(臓器に明らかな異常がない)便秘
    ・便秘型過敏性腸症候群および非狭窄性器質性(狭くなっていない形態的変化によって生じる)便秘
  • 二次性の便秘(原因となる病気や薬物に関連して引き起こされる便秘)
    ・症候性(腫瘍や多発憩室等によるもの)
    ・薬剤性 (睡眠剤や安定剤、パーキンソン治療薬なでその他の薬剤の副作用、薬物中毒、重金属中毒など)

便秘をおこす病気
・大腸がん
・電解質(からだのミネラル)異常
・甲状腺機能低下症等の内分泌疾患や糖尿病、うつ病等の精神疾患や神経疾患など

慢性便秘の症状による分類
・便が出ない(排便回数減少型)
・便が出せない(排便困難型)

慢性便秘症の有病率(病気を持っている人の割合)は約10~15%といわれています。
慢性便秘症は加齢にともない腸管の運動の低下や直腸の感覚や便排出機能の低下、生活環境の変化などおおくの要因により増加すると考えられています。

便秘治療における食事の注意点
規則正しい食事
 ⇒ 周期的な便意を獲得しやすくする。
十分な水分の接種
 ⇒ 便をやわらかくする。
食物繊維の接種
 ⇒ 便量を増やし排便をうながす。
ビフィズス菌の接種
 ⇒ 腸管の運動をたすける。
オリゴ糖の摂取
 ⇒ ビフィズス菌を増やしやすくする。

便秘治療における生活の注意点
規則的な排便習慣の確立
 ⇒ 毎朝食後、便意の有無にかかわらず排便を試みる。
排便反射の正常化
 ⇒ 便意を我慢せず排便を行う。
腸管運動の改善
 ⇒ 軽度の運動(食後の散歩など)
自律神経の改善
 ⇒ 意識的にストレスをためない。

便秘の治療薬の種類と特徴
塩類下剤
 ⇒ 腸管に水分を引き寄せ便を柔らかくする。
膨張性下剤
 ⇒ 便を柔らかく膨張させ排便を促す。
浸透圧下剤
 ⇒ 浸透圧の作用で腸管内の水分を増加させ柔らかくする。
大腸刺激下剤
 ⇒ 主に大腸を刺激して腸の運動を活発にする。
上皮機能変容薬
 ⇒ 腸粘膜に作用して腸管内の水分を増加させ便の輸送を促す。
浣腸や坐剤
 ⇒ 直腸を刺激して排便を促す。
自律神経作用薬
 ⇒ 腸管に作用する神経に働いて長官の運動を調整する。
整腸剤
 ⇒ 腸内細菌を補い腸内の環境を整える。
腸管運動促進薬
 ⇒ 下剤ではないが腸の運動を促進するため排便を促す。

便秘